内容: 朝鮮の民画は、多くは名もなき画エたちが描いたもので、文字絵、文房図、花鳥画、宗教画などがあります。これらはかつて家の壁に直接貼られたり、屏風に仕立てられたりしていたもので、庶民の家の彩りとして欠かすことができないものでした。様々な教訓が含まれているものが多く、特に文字絵や文房図は、儒教の倫理観や、学問の大切さを表現したものでした。しかし、絵自体はまったく堅苦しいものではなく、どれをとっても、底抜けの自由さとユーモアにあふれています。
さて、芹沢_介が朝鮮民画の蒐集をはじめたのは、昭和20年代後半からのようで、日本の絵馬などと並び、民衆の絵画として特に好んだものでした。朝鮮民画は、当館に77点収蔵されていますが、その内訳をみると、文字絵が30点、文房図が16点、花鳥画が17点、山水画が4点、宗教画その他が8点、刺繍画が2点となっていて大きな偏りがなく、単に好みで集めるのにとどまらず、ある程度系統的な収集を心がけていたことが感じられます。
当館で朝鮮民画の展覧会を行うのは実に13年ぶりのことですが、今回は当館の所蔵する77点全点を展示し、ご鑑賞いただきます。ぜひこの機会に芹沢_介美術館をおたずねください。(「朝鮮の民画」展リーフレットより)
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