内容: 木綿栽培の普及と並行するように、16世紀末ごろから日本各地で栽培されるようになった藍。藍は次第に日本の庶民の生活に根付き、やがて染料として欠かすことのできないものになりました。防虫性や生地を丈夫にするなどの実用的な特性もあるため、さまざまな衣料や夜具、風呂敷などが藍で染められたのですが、一方で日本人は、藍の色合いにも細かく名前をつけたり、濃い藍の色よりもあせた藍の色を喜ぶなど、その美的な側面にも大変敏感でした。
当館に収蔵する、芹沢_介が収集した日本の藍染の資料は、500点を超えます。その内容も、風呂敷、夜着、のれん、のぼり、馬掛け、裃、被衣、浴衣、労働着、火消し装束、万祝いなどがあって、日本人の生活のすみずみに浸透していた藍染めを実感することができます。今回は、これらの品々の中から100点を精選してごらんいただきます。
また、芹沢_介の仕事では「うちわ」を特集します。芹沢の「うちわ」の制作は昭和24年ごろから開始され、400種以上あるといわれますが、今回の展示では約100種の「うちわ」をごらんいただきます。「夏の風物文着物」「柳文間仕切」などの夏らしい作品といっしょにお楽しみください。(「日本の藍染め」展リーフレットより)
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