内容： 型絵染の染色家として知られる芹沢銈介（1895～1984）は、世界の工芸品の蒐集家としても広く知られており、師であった柳宗悦（1889～1961）もその鋭い選択眼に深い信頼を寄せていました。芹沢の蒐集は、24歳頃から始めた小絵馬に端を発し、染織はもちろんのこと、陶磁器や木工品、民画、書籍、玩具、装身具、編組品など幅ひろい分野に及んでいました。
経済的な余裕が出来た70歳以降は、蒐集への情熱に一層拍車がかかり、最晩年までに6000点近い品々を蒐集しました。現在、それらの品々のうち約4500点が静岡市に寄贈されて当館に収蔵しており、約1000点が東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館（仙台市）に収蔵されていて、両館で順次公開されています。
点数や種類が豊富なだけでなく、それらの産地はほぼ全世界をカバーしているといっても過言ではなく、日本を始め東アジア、東南アジア、南アジア、中央アジア、中東、ヨーロッパ、アフリカ諸国、南北アメリカ、オセアニアなどの品々があって、この作家の視野の広さを物語っています。
今回の展覧会は、昨年の「日本篇」の続篇として、芹沢自身が「もう一つの創造」と称して情熱を傾けた蒐集の中から、海外のものに限定し、特に芹沢らしい選択眼の光るものや、興味深い品々250点をピックアップして、ご紹介するものです。（「芹沢銈介 もう一つの創造―海外篇―」展リーフレットより）
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