内容： 芹沢銈介は、自ら型紙を彫り、紙を染めて多くの私家絵本を制作していました。代表作の『絵本どんきほうて』をはじめとした美しい私家絵本群は現在も愛書家の間で珍重され、その魅力は色褪せることがありません。また、川端康成、内田百閒、山本周五郎、海音寺潮五郎、岡本かの子、丹羽文雄、獅子文六、武田泰淳、佐藤春夫といった著名な作家たちの本の装幀や挿絵を数多く手がけて、本の世界とは切っても切れない関係にありました。
私家絵本や装幀を手がける一方で、芹沢は世界各地の書籍の収集に興味を示し、集めた蔵書は300冊以上にのぼりました。日本の書籍はもちろん、朝鮮半島、中国、東南アジア、インド、中近東、エチオピア、ヨーロッパ諸国の様々な書籍は、実に多様な素材・文字・挿絵・装幀によって、芹沢銈介に多くの刺激を提供したことと思われます。
さらに今回の展示では芹沢銈介が集めた世界のおもちゃも紹介します。中国、インド、スペイン、メキシコ、グァテマラ、ペルーなど素朴で愛らしい玩具は、芹沢銈介の身辺にあり、蔵書とともに彼の「親しい話相手」となった品々です。（「芹沢銈介の身辺の品々―絵本とおもちゃ―」展リーフレットより）
初日には、「芹沢銈介絵本を楽しむ会―青嶋節子朗読・青嶋直樹氏チェロ―」を開催。 |
