内容: 「李朝」は14世紀末から20世紀初頭まで朝鮮半島を統治した李氏朝鮮のこと。「李朝民画」は、当時、様々な実用の目的のため盛んに描かれた絵です。例えば、幸福や子宝を願って、花や鳥、魚の絵を若夫婦の部屋に。厄除けの虎の絵は門口に。儒教の徳を絵解きで学ばせる文字絵を子供部屋に。そして書斎には学問崇拝の意を表す文房図を飾るというように、民画は日常生活における空間を彩り、人々の心を支えるための必要欠くべからざる存在でした。
物体の大小、遠近等を示すための常識的な画法を全く無視した構成から生まれた画境は不思議な魅力に満ちた世界です。
今回は、芹沢_介の収集品の中から、花鳥画、文字絵、文房図等代表的な主題を扱った李朝民画69点を御紹介します。(「不思議派絵画」展リーフレットより)
※同時開催:芹沢_介作品展
※小企画展「行燈皿と石皿」
行燈皿は油皿とも呼ばれ、行燈の中に置いて垂れる油を受け、行燈や床を汚さぬための器。
そして石皿は街道筋の茶屋で煮染めを盛った器のこと。共に暮らしの中で身近にあった雑器でした。
今回ここにご紹介するのは芹沢_介収集による行燈皿と石皿です。いづれも瀬戸の民窯の産。18〜19世紀にかけて焼かれたもので、織部釉の緑で彩られ、また、鬼板の茶色や呉須の青色で草花や鳥などが生き生きと表現されています。無名の工人の手慣れた筆の動きから生み出された絵付の魅力をお楽しみください。(小企画展「行燈皿と石皿」リーフレットより)
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